吉田 成仁 特任准教授
(コンディショニング&リコンディショニング、アスレティックトレーニング)

教員紹介インタビュー

2023/07/18

教員

研究内容

「スポーツ現場で起こるリアルな問題を研究する」ことが私の目指す研究者としての姿であり、アスリートのパフォーマンス向上、スポーツ外傷・障害の予防・治療のためのより効果的なアプローチを模索し続けることが私自身の目標です。そのために、研究活動と並行して、鍼灸師・公認心理師・アスレティックトレーナー資格を活かして、スポーツ現場で活動し続け、実際に自分自身が経験した問題を研究課題としてきました。

自分自身の最初の研究課題は「足関節捻挫」でした。スポーツ現場において、最も多発するスポーツ外傷であり、⼀度受傷すると再発しやすく、スポーツ現場で最も遭遇したスポーツ外傷でした。その予防と治療に鍼灸とアスレティックトレーニングがどの程度効果があるのかについて研究を行いました。その後は、受傷すると長期間の競技離脱を余儀なくされる「膝前⼗字靭帯(ACL)損傷」に着目し、ACL損傷の発⽣とハムストリングの筋活動およびジャンプ着地時の⾜底部の着き⽅の関係性などを研究課題として探求してきました。このように主にスポーツ選手の⾝体的問題について研究を重ねてきました。

現在の課題は、アスリートのコンディショニングにおいて「⾝体的な問題のみならず、⼼理的な問題にも着⽬することが⼤切なのでは?」という問いが現在の課題となっています。スポーツ選手への対応の中で、⾝体的な問題を改善しても、痛みが残ったり、怪我が再発してしまったりすることがあります。そこには⼼理的な問題も影響している可能性があります。また、近年では有名なスポーツ選⼿がメンタルヘルスの問題を抱えている事が報道されることからも、スポーツ選⼿でも⼼の問題を抱えている⼈がいることを認識し、身体的問題と心理的問題を両面からアプローチしていくことの重要性を検討しています。

これまでも⻑期間の遠征を選⼿と過ごすなかで、「夜眠れない」などの声を聞くことは度々ありました。そこで⼤学サッカー選⼿約100名を対象に「怪我の有無」や「メンタルや睡眠などの問題」に関するアスリート向けの設問(APSQ-J、ASSQ-J)を使⽤し、調査を実施しました。その結果、 想像よりも多くの⼈が問題を抱えていることが判明しました。(こちらの研究は日本フットボール学会の優秀論文賞を受賞しました。)さらに規模を拡⼤し、全国の⼤学サッカー部員1084名にアンケート調査を⾏ったところ、約200名が怪我を患っており、メンタル⾯の問題を抱えているのは400名と、怪我をしている⼈よりも多い数字が出ました。また、睡眠の問題を抱える⼈も約250名いました。

このように心身の状況把握と、心身の問題に対する改善のためのアプローチを検討しています。

研究指導

基本的には、スポーツ外傷・障害に対する予防・治療、コンディショニングに関わる内容の研究指導を行いますが、学生さん自身が希望する研究テーマについての検討を進めてもらいます。そのために、何を検討して、どのようにスポーツ現場にフィードバックするのか、ただ実験をするだけではなく、現場への還元することまでをイメージした研究を計画してもらいます。

これまでに指導した経験のある研究テーマは、傷害調査、トレーニング活動時の筋活動、「経皮的電気神経刺激と鍼通電刺激が足関節機能的不安定性に及ぼす影響」、「鍼刺激がジャンプ着地時の動的アライメントに対して与える影響」、「低周波鍼通電刺激介入が腸管機能に及ぼす影響」、「灸施術におけるモグサ燃焼生成物の組成分析」となっています。

実践的な取り組み

研究活動のみではなく、スポーツ現場における実践的な活動も継続しています。2014年よりフットサル日本代表アスレティクトレーナーとして活動するとともに、東京オリンピック2020ではサッカー競技のレフリーチームのサポートとして、世界中から来日したレフリーのケアやサポートを行っていました。

受験生へのメッセージ

スポーツの世界で少しでも多くの人々の役に立つために、より効果的なアスレティックトレーニング、コンディショニング、鍼灸治療や物理療法について研究を進めましょう。自分自身が課題に感じることを、どのようにすれば解決できるのか、考え、計画し、実行できる能力を身につけていきましょう。挑戦し続けられる、エビデンス積み上げ続けられる、探求心のある人材にお会いできることを楽しみにしています。


※2023年インタビュー当時の情報です。

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