学部長メッセージ・創設の理念スポーツウエルネス学部

学部長メッセージ

スポーツの学部で学ぶ意味とは何か

スポーツウエルネス学部 学部長 加藤 晴康

立教大学スポーツウエルネス学部は、スポーツのみを行っている人がただ在籍しているところではなく、スポーツをしている人もスポーツをしていない人も、スポーツやウエルネスに関連した学問を全力で学ぶところです。スポーツを学ぶというのは、どのようなことなのか考えてみましょう。
本学部の特徴は、とても多岐に渡った専門分野の教員がスポーツを軸に集まり、文系や理系にとらわれずに多くの分野の授業を展開していることです。大学入学前の時点で、自分の興味がある分野を見つけ出せない人は多いと思います。本学部は、このようにとても多くの分野の授業が展開されているために、興味がある分野を多くの選択肢から探しだすことが可能です。また、様々な分野において、基本知識だけでなく、最新知識や解明されていない課題を学ぶことができるため、広い視野と課題を考える力(批判的、実践的思考)を育むことができます。これは、まさにスポーツを題材として『リベラルアーツ』を学べる場となっています。現時点で、自分の興味ある分野が見つからなかったり、進むべき道に不安があったりする人は、私たちの学部のように、スポーツを軸として学問を形成している学部で学ぶことを1つの選択肢として考えてみてください。
新しい学部ですが、教員はやる気に満ち溢れています。ぜひ私たちと一緒に、スポーツに関するさまざまな問題点を、一緒に検討して、解決するプロセスを楽しみましょう。

創設の理念

立教大学を創設した「聖公会」と「スポーツ」は深い関係にあります。聖公会は、16世紀の英国宗教改革によって生まれた英国国教会を母体とするが、国教会体制を堅持する目的で、1617年に英国王ジェームス1世が公布したのが『スポーツの書』(The Book of Sports)でした。この時に奨励されたのは、アーチェリーや跳躍競技、モリス・ダンスなどでした。その後、さまざまなスポーツ競技が英国において誕生し、近代スポーツのほとんどが英国起源である背景には、このような歴史があります。

1828年に、英国の歴史あるパブリックスクール、ラグビー校の校長として着任した、聖公会の司祭であり、神学博士でもあった、トマス・アーノルドは、カリキュラムを大胆に改革し、学生の知力のみならず、全人的な人格教育を徹底的に行いました。アーノルドがその教育改革の基軸として着目したのが、キリスト教教育と共に「スポーツ」であり、とりわけ「フットボール」でした。これが「ラグビー」「サッカー」の起源でもあります。スポーツが人格教育に重要な意義を有することを訴え続けたアーノルドに、強い影響を受けたのがピエール・ド・クーベルタンであり、彼はアーノルドの精神を基礎として、スポーツマンシップ、フェアプレーの重視、人間形成と教育に貢献するスポーツの振興を願って、近代オリンピックを興していくのです。

このように本来、「スポーツ」とは、「人間性を回復」(レ・クリエーション)し、人格を養い、信頼と愛によって結ばれた共同社会を形成し、心身の健康を増進し、自然と共感するための「人間教育の文化」でした。私たち立教大学は、その学則第1章第1条において、「本大学は、キリスト教に基づく人格の陶冶を旨とする」と定めています。その意味で、立教大学に、「スポーツウエルネス学部」が設置されたことは、本学の建学の理念に照らしても、大いに意義あることです。

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