2025/01/16 (THU)

川田輝さん(2017年度大学院博士課程前期課程修了、石渡研究室)の論文がChronobiology Internationalに掲載されました

OBJECTIVE.

川田輝さん(2017年度大学院博士課程前期課程修了、石渡研究室)の論文「Influence of extreme light/dark cycles on monoamine levels, physiological indices, and emotional behaviors in rats」がChronobiology Internationalに掲載されました。詳しくは下記URLを参照下さい。
■研究の背景、目的
科学技術の進歩や照明環境の発達で夜間でも明るく24時間活動社会になり、生活リズムが多様化した。便利な社会になった反面、生活リズムの逸脱による心身の不調が問題となっている。また、脳内神経伝達物質は身体の様々な調節機構に関わっているが、明暗条件の変化がどのように影響するのかはほとんど調べられていない。そこで、本研究ではWistar系雄性ラットを用いて、飼育する時の明暗周期を長明期(20L:4D)、長暗期(4L:20D)、または通常(12L:12D)のLDサイクルに1ヶ月間暴露し、極端なLDサイクルが体重、深部体温、活動量、情動行動(不安様、社交性)、モノアミンレベル(ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン)に及ぼす影響を調べた。

■研究結果
20L:4Dラットでは、体重の増加と伴に、深部体温と活動量の振幅が減少し、頂点位相が進んだり遅れたりして、概日リズムが鈍化した。4L:20D群では概日リズムのズレがみられ、深部体温または活動量の振幅の増減、深部体温と活動量の頂点位相の遅延がみられ、体重も増加した。20L:4D群では、視交叉上核と扁桃体でそれぞれノルアドレナリンとセロトニンレベルが減少したのに対し、4L:20D群では、線条体と視床下部背内側下部でそれぞれドーパミンとセロトニンレベルが増加した。オープンフィールドとソーシャルインタラクションテストでは、両群とも不安様行動を示した。全体として、それぞれの極端なLDサイクルは、深部体温、活動量の振幅、頂点位相、モノアミンレベルに異なる影響を与え、不安様行動を引き起こした。

■結論
本研究の結果から、長明期と長暗期によって生活習慣病や精神疾患にかかるリスクが高まる可能性が示唆されたため、現代社会における生活リズムの乱れに警鐘を鳴らす研究になったと考えられる。

■論文情報
Akira Kawata, Yuta Kaneda, Daisuke Matsunaga, Hikaru Nakagawa, Fumiharu Togo, Mikinobu Yasumatsu, Takayuki Ishiwata*, Influence of extreme light/dark cycles on monoamine levels, physiological indices, and emotional behaviors in rats, Chronobiology International, 2434173, 2024. (*Corresponding author)
DOI: 10.1080/07420528.2024.2434173
■石渡研究室
石渡貴之
立教大学 スポーツウエルネス学部 スポーツウエルネス学科 教授

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