2025/07/10 (THU)
八木一弥さん(博士課程後期課程2年次)が日本体育社会学会で「学生研究奨励賞」を受賞
OBJECTIVE.
2025年6月21日(土)・22日(日)に東北大学を主管校として開催された日本体育社会学会第3回大会において、スポーツウエルネス学研究科博士課程後期課程2年次の八木一弥さん(指導教員:松尾哲矢教授)が、日本体育社会学会「学生研究奨励賞」を受賞しました。
八木一弥さん 受賞コメント

「野球統制令前後の少年野球の成立と野球観の変容に関する研究:雑誌『野球界』の分析を通して」
この度、日本体育社会学会第3回大会において学生研究奨励賞に選んでいただき、大変光栄に思います。日頃よりご指導を賜っております松尾哲矢先生、そしてスポーツウエルネス学研究科の先生方、さらには松尾研究室の大学院生の皆さま、その他多くの方々にお力添えを賜り、今回、学生研究奨励賞を受賞することができました。改めて御礼申し上げます。
本大会における私の研究は、大正期から昭和期にかけて爆発的に広まっていったとされる少年野球(小学生の野球)の当時の状況に着目し、少年野球文化の形成の一端に迫ろうとしたものです。
当時の野球界では、小学生の野球から大学生の野球までの全てのカテゴリーで、学生の本分から逸脱するほどの担い手や関係者たちの過熱化が問題視されており、1932年に文部省(現文科省)による「野球統制令」が発令されるほどシリアスな問題でありました。本研究においては、少年野球の現場に焦点を当て、雑誌『野球界』を中心に資料分析を行った結果、指導者や保護者などの子どもを取り巻く大人たちが過熱し、「少年野球は大人の娯楽物ではない」などと痛烈に批判されるような状況にまでなっていたことが明らかになりました。
また、上述した状況下において、少年野球の〈場〉では大人と子どもという特徴的な関係構造を基調としながら活動が展開されており、子どもたちの自発性や自由な活動が抑制されていた可能性も示唆されました。そして、当時の野球の中で重要視されていた教育的価値、すなわち「共同一致」の精神が、その活動のベースとして子どもたちの活動を抑制する役割を果たしてきた可能性も推察されました。以上のことからこの期においては、大人が子どもたちの活動のあり方を方向づけていくという形で、少年野球における野球観が形成、および変容していった可能性が示唆されました。
今回の受賞は、今後の研究の発展への期待を込めて選んでいただいたものであると受け止めております。今後は、より一層研究に精進して参ります。引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
この度、日本体育社会学会第3回大会において学生研究奨励賞に選んでいただき、大変光栄に思います。日頃よりご指導を賜っております松尾哲矢先生、そしてスポーツウエルネス学研究科の先生方、さらには松尾研究室の大学院生の皆さま、その他多くの方々にお力添えを賜り、今回、学生研究奨励賞を受賞することができました。改めて御礼申し上げます。
本大会における私の研究は、大正期から昭和期にかけて爆発的に広まっていったとされる少年野球(小学生の野球)の当時の状況に着目し、少年野球文化の形成の一端に迫ろうとしたものです。
当時の野球界では、小学生の野球から大学生の野球までの全てのカテゴリーで、学生の本分から逸脱するほどの担い手や関係者たちの過熱化が問題視されており、1932年に文部省(現文科省)による「野球統制令」が発令されるほどシリアスな問題でありました。本研究においては、少年野球の現場に焦点を当て、雑誌『野球界』を中心に資料分析を行った結果、指導者や保護者などの子どもを取り巻く大人たちが過熱し、「少年野球は大人の娯楽物ではない」などと痛烈に批判されるような状況にまでなっていたことが明らかになりました。
また、上述した状況下において、少年野球の〈場〉では大人と子どもという特徴的な関係構造を基調としながら活動が展開されており、子どもたちの自発性や自由な活動が抑制されていた可能性も示唆されました。そして、当時の野球の中で重要視されていた教育的価値、すなわち「共同一致」の精神が、その活動のベースとして子どもたちの活動を抑制する役割を果たしてきた可能性も推察されました。以上のことからこの期においては、大人が子どもたちの活動のあり方を方向づけていくという形で、少年野球における野球観が形成、および変容していった可能性が示唆されました。
今回の受賞は、今後の研究の発展への期待を込めて選んでいただいたものであると受け止めております。今後は、より一層研究に精進して参ります。引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。