持続可能な社会のための4つの活動

奇二 正彦准教授

2024/06/20

教員

もしかすると皆さんは「大人たちが作ったこの社会なんて、自分たちが変えられるわけがない」と思っていませんか?自分たちが何を訴えようと、環境破壊や地球温暖化は止まらない、と。では、変えられる方法をお教えしましょう。それは、①実践活動、②普及啓発活動、③消費活動、④主権者活動という4つの活動を進めることです。

①実践活動は、例えばゴミ拾いをしたり植樹活動をしたり、まず自分から手を動かす活動です。実際にやってみるとさまざまな気づきがあり、誰かに伝える際に説得力が増します。それができたら賛同者を増やすため、②普及啓発活動を始めてください。仲間が増えれば、それだけ多くの視点やアイデアを交換することができます。
③の消費活動も重要です。皆さんは、牛が出すゲップやオナラから二酸化炭素の25倍もの温室効果ガスが排出されていることをご存知ですか?世界銀行の統計では、車や飛行機など世界中の乗り物より、畜産から出る温室効果ガスの量の方が多いことが明らかとなっています。問題なのは肉食を止めるのではなく、ファストフードを支える大規模畜産をいかに抑制するか。それには消費者一人ひとりの意識改革と行動が不可欠なのです。
さらに2023年、企業にとっては衝撃的な「TNFD(自然関連財務情報開示)」の義務が条例化されました。これは簡単に言えば、企業がどれだけ環境保全活動に資金を投じ企業努力を行っているかを、きちんと開示しなさいという条例です。これにより、どの企業がサスティナブルな社会構築に実質的な貢献をしているかが分かるようになり、消費活動や株式投資などで企業に影響を与えられるようになります。
そして最も大切なのが、④の主権者活動。私たちは民主主義国家の一員として環境保全意識の高い政治家を選出したり、自治体と連携して地域から活動の輪を広げたりすることもできます。社会も、大人たちが作ったルールも、皆さんの力で必ず変えられる。そのための4つの活動を軸に、サスティナプルな未来へと変革する挑戦を、共に進めていきましょう。

プロフィール

PROFILE

奇二 正彦 准教授

[専門分野]環境教育
[keyword]#人と自然の共生 #サスティナブル #環境教育

立教大学文学部史学科卒業後、ニュージーランドのアートスクール、 動物カメラマンの助手、環境教育系NPO、環境コンサルティング会社などを経て、立教大学コミュニティ福祉学研究料コミュニティ福祉学専攻博士課程後期課程修了。博士(スポーツウエルネス学)。

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