2025/07/04 (FRI)
「暑熱順化の中枢機構,腸内環境からヒトへの応用まで」
公開シンポジウム 開催報告
OBJECTIVE.
近年、地球温暖化が世界中で大きな問題となっており、熱中症による健康被害が増加している。この様な状況下で、熱中症対策として「暑熱順化」の重要性が注目されている。しかし、暑熱順化による末梢効果器の形態的・機能的変化については多くの研究があるが、その中枢機構ついては未だに明らかになっていない。そこで、本シンポジウムは、神経生理学的、運動免疫学的、スポーツ科学的観点から暑熱順化やその対策を検討し、人々のウエルネスに還元することを目標とする目的で開催した。

■オーガナイザー:
大塚曜一郎氏(Flinders University)
石渡貴之氏(立教大学)
■講師:
石渡貴之氏(立教大学)
松崎健太郎氏(島根大学)
松生香里氏(川崎医療福祉大学)
中村真理子氏(国立スポーツ科学センター)
中川晃氏(立教大学)
大塚曜一郎氏(Flinders University)
石渡貴之氏(立教大学)
■講師:
石渡貴之氏(立教大学)
松崎健太郎氏(島根大学)
松生香里氏(川崎医療福祉大学)
中村真理子氏(国立スポーツ科学センター)
中川晃氏(立教大学)
先ず、基礎的観点として暑熱順化に伴う脳内神経伝達物質の変化や視床下部の神経新生について、「暑熱順化と脳内神経伝達物質、不安様行動の関係」(石渡)、「マイクロダイアリシス法を用いた暑熱順化ラットの脳内神経伝達物質リアルタイム計測」(中川)、そして「暑熱順化形成の中枢(視床下部)機構と運動トレーニングの効果」(松崎)について、これまでの先行研究を示しながら最新の知見を紹介した。次に、近年、心身のコンディションとの関係で注目されている腸管機能に着目し、「アスリートの暑熱対策サポートにおける腸内細菌とコンディションの関係」(松生)について、分子生物学的視点からの知見を紹介した。最後に、応用的観点として、「アスリートにおける暑熱順化や身体冷却の実践的な取り組みとパフォーマンスの関係」(中村)を紹介してもらい、効果的な暑熱対策について学んだ。最後に全体で質疑応答を受け付け、神経生理学的、運動免疫学的、スポーツ科学的のそれぞれの観点から暑熱順化やその対策について深く議論することができた。


事後アンケート結果は、未回答者が多いが、概ね好評(5段階評価の4以上が93.4%、15名中14名)であった。暑熱順化とパフォーマンスの関連性について学ぶことができ、今後の運動場面で役立つ知識が得られたことや、様々な角度からの知見、そして現場での活用・対応を知ることができたとのコメントを頂いた。また、議論が盛り上がった為、最後にパネルディスカッションの時間がもう少しあっても良かったとのコメントも頂いた。今後のシンポジウム開催時の課題としたい。
■活動名:
2024年度立教大学スポーツウエルネス研究所公開シンポジウム
「暑熱順化の中枢機構,腸内環境からヒトへの応用まで」
■概要:
対面・オンラインハイブリッド:2025年3月16日(日)15時~17時
■参加者:
本研究所所員、本学教職員、大学院学生、学部学生、一般
参加人数:対面参加 30名、オンライン 60名
■主催:立教大学スポーツウエルネス研究所
2024年度立教大学スポーツウエルネス研究所公開シンポジウム
「暑熱順化の中枢機構,腸内環境からヒトへの応用まで」
■概要:
対面・オンラインハイブリッド:2025年3月16日(日)15時~17時
■参加者:
本研究所所員、本学教職員、大学院学生、学部学生、一般
参加人数:対面参加 30名、オンライン 60名
■主催:立教大学スポーツウエルネス研究所